プロトタイプ
プリウスの開発開始から数年を経て、1995年11月の第31回東京モーターショーにてプリウスのプロトタイプが参考出品されました。
「人と地球にとって快適であること」というコンセプトの元に開発されたこのプロトタイプは低燃費走行を目的としたパワートレーンシステム(EMS:Energy Management System)が搭載されました。
直噴ガソリンエンジン、ベルト式無段変速機(CVT:Continuous Variable Transmission)、キャパシターを電源としたインダクションモーター・ジェネレーター(M/G)をコンピューターで協調制御した世界初のパワートレーンシステムでした。
エンジン、駆動系の効率を大幅に向上させ、エネルギー回生や停車時のエンジン停止と言った画期的な機能を採用し、同クラス車と比較すると約2倍の燃費であるリッター30kmの実現を目標としていました。
・環境を配慮し以下の機能が搭載されていました。
・電動パワーステアリング
・低転がり抵抗タイヤ
・電動コンプレッサーエアコンシステム
・RSPP(新リサイクル防音材)採用
・空力ボデー
・高性能熱線吸収ガラス
・着色樹脂を使った無塗装バンパー&サイドモール
環境だけではなく、安全にも力を入れていて、安全装備として側面衝突対応SRSエアバッグが早くも装備されており、計6ヵ所のエアバッグがありました。
その他、以下のような珍しい装備もありました。
・助手席やリヤシートに取り付けられる、組み込み式チャイルドシート装備
・近未来対応型マルチメディアシステム
・ドームランプに4方向のセンサーを設置し、そこから発信されるマイクロ波による車内への侵入者感知。
・ホーン吹鳴やライトの点滅で異常を知らせるセキュリティシステム